[ウィーン 16日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)は、イランが中部ナタンズの地下施設で、新型の遠心分離機「IR4型」を使ったウラン濃縮作業を開始したとする報告書をまとめた。2015年の核合意からさらに逸脱する行為。ロイターが16日、報告書の内容を確認した。
イランは昨年、異なる種類の新型の遠心分離機をナタンズにある地上の施設から地下の燃料濃縮プラント(FEP)に移動。既に「IR2m型」の分離機を稼働させている。核合意ではイランが使用できるのは旧式の「IR1型」に限定されている。
報告書によると、IAEAは15日時点でイランがFEPに既に設置されたIR4型の分離機174台を連結したカスケードに六フッ化ウランガス(UF6)の注入を開始したことを確認した。
また、イランがIR4型で構成する2組目のカスケードの設置を計画していることを示唆したが、設置はまだ始まっていないとした。イランは既にFEPでIR2m型の設置数を増やしている。
FEPでは六フッ化ウランガスを最大5%に濃縮するため、15日時点でIR1型5060台で構成するカスケード30組、IR2m型522台で構成するカスケード3組、IR4型174台で構成するカスケード1組を稼働させていると報告した。