[ロンドン 12日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は12日、月例報告を発表し、今年の石油需要は既に供給を上回っており、新型コロナウイルスワクチン接種の進展で世界経済が回復する中、イランが輸出を増やした場合でも供給不足は拡大するとの見通しを示した。
IEAの報告書は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が生産を拡大させていることに触れ、「年内に予想される供給量の増加は、第2・四半期以降の極めて旺盛な需要増見通しに到底及ばない」とした。
IEAによると、第2・四半期の「OPECプラス」による供給量は需要に日量約15万バレル届いていない。年末までには不足分が日量250万バレルに拡大する見通し。
核開発問題を巡る米とイランの間接的協議が順調に進めば、イランが石油市場に完全に復帰する可能性があるが、それでも「OPECプラス」の生産量は需要に対して日量170万バレル不足するという。
一方、「OPECプラス」以外からの供給回復はIEAの予想よりも鈍い。新型コロナ危機の影響でブラジルやメキシコ湾でのプロジェクトが遅れたほか、カナダでのメンテナンスが滞ったことが原因となっている。