[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリアのテハン貿易相は、中国本土向けに輸出された食用ブドウの約20%が国境で足止めされているとし、原因を調べていると明らかにした。
豪公共放送ABCが20日に掲載したインタビューで「業界関係者が見聞きしていることについて彼らと話し合っているほか、われわれのスタッフも中国当局者と協議している」と述べた。
豪中関係は、モリソン豪首相が新型コロナウイルスの発生源を巡る国際調査の呼び掛けを主導したことを受け、過去数十年で最悪の状態に悪化。中国はそれ以降、豪州産の大麦や綿、ワイン、ロブスターなどの輸入を制限している。
食用ブドウが貿易摩擦の新たな標的かとの問いに対し、テハン氏は「拙速に結論を出すことはしたくない」と答えた。
その上で「対応を試みており、引き続き状況を精査する」とし、「われわれは原因を突き止めることを望んでおり、豪当局者が中国側とこの問題に取り組んでいるのはそのためだ」と述べた。
中国は、豪州産食用ブドウの最大の輸出先。昨年の中国への輸出量は約6万トン、輸出額は2億4000万豪ドル(1億8600万米ドル)で、輸出全体の約4割を占めた。
両国関係は悪化しているものの、豪州の最大の輸出品目である鉄鉱石が値上がりしているため、豪州の対中輸出総額は底堅く推移している。3月までの1年間の対中輸出は1490億豪ドル(1160億米ドル)だった。