[ストックホルム 22日 ロイター] - スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんは、炭素排出、感染症流行、動物の苦しみという3つの問題を解決するため、世界的な食品生産と消費のあり方の変革に照準を合わせる姿勢を表明した。
グレタさんは、22日の「国際生物多様性の日」に合わせてツイッターに動画を投稿。農業が環境に与える影響や、新型コロナウイルスなど動物が発生源とされる感染症の拡大は、食品生産の変革によって軽減されると表明。「われわれと自然の関係は壊れてしまったが、関係は変革できる」と訴えた。
これまでグレタさんは政策当局者や化石燃料からの炭素排出に怒りを向けるのが常で、農業に焦点を合わせ、気候変動と感染症流行を結びつける発想は新しい。
グレタさんは、「気候、生態系、健康の危機は、全て関連し合っている」と指摘。動物から人間への感染は飼育方法が原因とし、植物性食品を中心とした食事に移行することにより年間最大80億トンの二酸化炭素排出が削減できる可能性があると付け加えた。
世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスがコウモリから他の動物を介して人間に感染した可能性が高いとしている。また、1990年から2004年に発生した感染症のうち60%は動物が感染源との報告もある。
一方、健康や環境への配慮から代替肉への需要が世界的に高まっており、20社以上が同分野への参入に向けて実験室で魚や牛肉、鶏肉の試験生産を行っている。バークレイズ証券によると、代替肉市場は29年までに1400億ドルの規模になる見通し。