[ドバイ 9日 ロイター] - サウジアラビア国営石油サウジアラムコのナサール最高経営責任者(CEO)は9日、アナリストとの電話会見で、原油パイプライン網の124億ドルでの売却でまとまった6月の契約に続く案件を投資家に提示する考えを示した。
ナサール氏は「われわれは可能性のある案件を他にも検討中だ。そうした件について現在交渉に入っている」と述べた。
6月にサウジアラムコ関係者3人がロイターに明らかにしたところによると、アラムコは同社ガスパイプラインの一定規模の少数株式売却を巡って複数の銀行に接触し、資金調達の助言業務を投資家に売り込むよう促していた。関係者の1人は、このガスパイプラインの株式売却が、締結にこぎ着けた原油パイプライン案件に類似したものになるとの見通しを示していた。
湾岸地域ではアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国がエネルギー資産の売却を通じて多額の資金を調達する計画を打ち出し、原油価格回復に乗じて外国投資家を引きつける姿勢を鮮明にしている。アラムコやほかの湾岸産油国もアブダビの動きへの追随をうかがっている。
ナサール氏は、水素市場でも同社にチャンスがあると語った。可能性のある買い手と長期供給契約を結ぶことを検討してからでないと水素市場での生産を拡大できないとの考えを示す一方で、同市場には規模拡大や輸出の大きな可能性があるとも強調した。