[22日 ロイター] - 2001年に過激派組織アルカイダによって暗殺されたアフガンの国民的英雄マスード司令官の息子、アフマド・マスード氏は22日、実権を再び握ったイスラム主義組織タリバンと平和的に交渉することを望んでいるが、自身が率いる抵抗勢力は戦闘の用意もあると述べた。
北部パンジシール渓谷で抵抗勢力を結集させている同氏はロイターの電話取材に対し「われわれはタリバンに、交渉が前進への唯一の道筋であることを気付いてほしい」と強調。「戦争が勃発するのをわれわれは望んでいない」と続けた。
これに先立ち、タリバンのツイッターフィードはパンジシール州の「当局者が平和的な引き渡しを拒否した」ため、数百人の戦闘員が同州に向かっていると伝えた。アフガン政府から奪取した大型車両が高速道路に車列を作っている映像も投稿されている。
マスード氏は、タリバンがパンジシール渓谷への進撃を試みた場合、自身の支持者らは戦闘する準備があると表明。「防衛し、戦闘する構えで、いかなる全体主義体制にも抵抗するつもりだ」とした。
パンジシール州に隣接するバグラン州では抵抗勢力が3つの地区を奪還しており、タリバンが15日に首都カブールを制圧して以降確認された戦闘はこの一カ所のみだ。ただ、マスード氏は、この戦闘は地元の武装勢力が実施したもので、自身は作戦に関与していないと語った。
同氏は、アフガニスタンの異なる民族集団全てを代表する包摂的で支持基盤の広い政府の発足を呼び掛け、「全体主義体制」は国際社会によって認めるべきではないと訴えた。