[ロンドン 16日 ロイター] - 英国の超党派の議員51人が、イングランド銀行(英中銀)に対し、グリーンファイナンスの促進や化石燃料産業向け融資にペナルティーを科す措置を通じて、気候変動への取り組みを支援すべきとする書簡を送った。英国は11月の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の開催国。
ロイターが閲覧したベイリー中銀総裁宛ての書簡は、金融セクターが気候関連のリスクを過小評価し、環境関連融資が不十分だとして、英中銀は一段の取り組みが必要と指摘。
「英中銀が、われわれが直面している課題の規模と緊急性に対応する形で気候と環境に関する新たな任務を実行するのを支持する」とし、「英中銀は政府の目標達成の支援に向け、適切な政策決定により、民間資金の動員、雇用創出、グリーンインフラへの必要不可欠な投資の促進において重要な役割を果たすことが可能だ」と述べた。
書簡は、銀行にグリーン融資を拡大させるための措置として、英中銀が銀行に、中小企業などが運営する持続可能プロジェクト向け融資を増やすことを条件に低利融資を提供することを提案。
また、英中銀が、自己資本などの規制で、化石燃料部門向け融資のリスクを高くし、世界の金融システムが気候変動目標に対応するよう働き掛けるべきと主張した。
ウッズ副総裁は7月、気候変動リスクに応じ資本の積み増しを銀行に義務付ける根拠はないとの認識を示した。
英中銀は既に銀行や保険会社を対象に金融システムの気候変動への対応能力を精査するストレステスト(健全性審査)を実施している。ただし従来的なストレステストと異なり、審査結果は資本要件に影響しないと説明している。