[ヨハネスブルク 7日 ロイター] - 南アフリカのマンタシェ鉱物資源・エネルギー相は7日、石炭火力発電からの移行は段階的に進めると表明、再生可能エネルギーへの切り替えを急がない方針を示した。
同相は鉱業関連の会議で、中国が国外での新規の石炭火力発電所の建設を中止すると表明したことに関連して「いつまでも石炭を利用すると言っているわけではない。感情的にではなく、段階的に移行を進めたい」と発言。
「わが国は先進国ではなく、全ての代替エネルギー源があるわけではない」と述べた。
同相によると、南アフリカは、エネルギー源に占める石炭の比率を現在の約75%から2030年までに60%未満に減らし、再生可能エネルギーの比率を増やすことを目指している。
同相は、移行を急ぎすぎれば、中国のようなエネルギー危機に陥いると指摘。「習近平国家主席は現在、石炭の輸入を増やしている」と述べた。
来月開催される第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を前に、南アのエネルギー転換を支援するための「グリーンファイナンス」が確保できるなら支持すると表明した。
その一方で、石炭からの段階的な脱却による経済的リスクも指摘し「グリーンファイナンスを強く求めて経済を崩壊させてはならない」と改めて強調した。