[メルボルン 8日 ロイター] - アジア時間8日の原油先物は上昇。天然ガス価格の高騰を受けて一部の業界がガスから石油へのシフトを開始した兆しがあるほか、米政府が当面、戦略石油備蓄(SPR)の放出を見送ると観測されている。
0122GMT(日本時間午前10時22分)時点で米WTI原油先物は0.84ドル(1.1%)高の1バレル=79.14ドル。北海ブレント先物は0.80ドル(1%)高の82.75ドル。
どちらも週間で約4%高の水準。
豪コモンウェルス銀行のアナリスト、ビベック・ダール氏は調査ノートで「米エネルギー省が『現時点で』価格抑制のための戦略石油備蓄の活用は考えていないと表明したのを受け、原油価格は上昇した」と指摘。
ただ、同省の関係筋はロイターに、ブルームバーグの記者が交流サイト(SNS)に、同省が現時点でSPRの活用を検討していないと投稿したのは、正しい内容ではないと述べた。
原油相場の今週の急伸を支えたのは、発電用やその他業界に用いられる天然ガスを原油に切り替える動きや、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟産油国で構成する「OPECプラス」による現行の増産ペースを維持する決定だ。
アナリストらは、ガス価格の急騰のほか、ガスから原油へのシフトがどれだけ広がるかが当面の注目材料だと述べた。