[ブリュッセル 13日 ロイター] - 欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会は13日、エネルギー価格の高騰を抑えるため、天然ガスの共同購入を検討すると発表した。
今年の電力・ガス価格の記録的な高騰により、工業生産が抑制され、消費者の暖房費が上昇。欧州20カ国は、エネルギー減税や低所得世帯への補助金など緊急措置の策定を急いでいる。
欧州委は、各国ごとの対応がEUの法律で認められていることを確認した上で、時間がかかるものの将来の価格ショックに対処するための協調的な対策の議論を促した。
欧州委は、ガスを共同購入して戦略備蓄する「利点を検討する」と述べた。加盟国の参加は任意だとした。
スペインはガスの共同購入開始を求めてきたが、他の国々は短期的な危機への対処に永続的な規制変更を行うことには慎重だ。欧州委は、ガス価格が4月までに、より低いレベルで安定すると予想している。
EUは10月21─22日の首脳会議で対応を協議する。加盟国のエネルギー担当相は26日に価格高騰について議論するため臨時会議を開催する。
カドリ・シムソン委員(エネルギー担当)は「ガスを電力から完全に切り離す唯一の方法は、ガスを発電に使用しないことだ。EUの長期的な目標は、化石燃料を再生可能エネルギーに置き換えることだ」と述べた。ガスはEUの発電の約4分の1を占めている。
一部の加盟国は、価格高騰を受けてエネルギー市場規則を変更する必要があると指摘。欧州の炭素市場における投機を抑制する必要もあるとしている。
欧州委は、クリーンエネルギーへの迅速な移行が、化石燃料価格の変動に対する最も効果的な防御策であると述べた。