[シンガポール 16日 ロイター] - シンガポールのエネルギー市場監督庁(EMA)は16日、電力の卸売価格が急変動している問題を巡って、困難に直面する小売業者と緊密に連携しているとした上で、顧客への電力供給に混乱はないと強調した。
シンガポールの電力卸売価格は需給に応じて30分ごとに決まるが、EMAによると、この2週間ほど価格変動が非常に大きいという。
EMAはボラティリティーが高まっている理由として、液化天然ガス(LNG)価格の世界的高騰、シンガポールでの電力需要拡大、ウエストナツナからパイプラインで送られる天然ガスの減少などを挙げた。
EMAは声明で「ポジションをあまりヘッジしていなかった電力小売業者は、卸売市場での価格の乱高下の影響を受ける可能性がある」と指摘。「事業の継続が困難になり、市場からの撤退を選択する業者もあるかもしれない。これはビジネス上の決定の結果であり、自由化された電力市場では起こり得ることだ」などとした。
これまでに少なくとも3社の電力供給会社がシンガポールからの撤退計画を発表。2社は新規顧客の受け入れを停止している。