[グラスゴー 31日 ロイター] - 地球温暖化対策を話し合う第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が31日、開幕した。気候変動の深刻な打撃から地球を救うための重要な機会になるとみられている。各国が温暖化ガスの排出削減強化や資金支援の拡充などで一致できるかが焦点となる。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で1年遅れての開催となる。産業革命からの気温上昇を1.5度以内に抑えるという目標を維持することを目指すが、これは、科学者が最も深刻な打撃を回避するための限界値としている水準。
COP26のシャーマ議長はスカイニュースとのインタビューで「産業革命前の水準より気温は既に1.1度上昇している」と述べ、「1.5度上昇すると水没してしまう国が複数ある。だからこそ今後10年の気候変動への取り組み方について、ここで合意する必要がある」と強調した。
2015年に採択された温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えるとともに、1.5度以内に抑える努力を追求する目標を掲げている。一方、国連の分析によると、これまでの削減目標では、今世紀中の気温の上昇幅は2.7度になる。
温暖化ガスの排出量をさらに削減するためのより野心的な誓約を表明し、気候変動対策のための資金を確保し、パリ協定の実現に向けて協定に調印した国全ての合意に基づいて具体的なルール作りを完成できるかが成功の鍵を握る。
1─2日には各国首脳らの演説が予定されている。会議は12日まで。