[トリポリ/ベンガジ(リビア) 22日 ロイター] - 国が分裂状態のリビアで、代表議会の委員会は24日に予定されている大統領選は実施できないと表明した。一部の候補の立候補資格など選挙規則について対立があったため、予定通りの実現は難しいとみられていた。選挙管理委員会は1カ月延期を提案した。
多数の国民は投票者登録を済ませており、関心の高さがうかがえるが、首都トリポリやその他の西部の地域では民兵が展開して選挙を妨害。選挙プロセスの崩壊はさらなる不安定化を招く可能性がある。
選挙には、東部が拠点の軍事組織「リビア国民軍(LNA)」のハフタル司令官、カダフィ大佐の次男セイフイスラム氏、暫定政権のドベイバ首相らが出馬。ハフタル司令官に対しては、2019─20年にLNAがトリポリを攻撃したことから、西部勢力が拒絶反応を示しており、セイフイスラム氏は11年のカダフィ独裁政権の崩壊につながった民主化運動の参加者の多くが抵抗している。
東西勢力は昨年、国連による仲介で停戦合意を結んだが、選挙を巡る対立は、カダフィ政権崩壊後に続いた内戦を終わらせるための和平プロセスに影を落とす。
内戦が再開すれば武装勢力の攻撃による石油生産の停止が頻発化する可能性もある。
和平プロセスの一環として3月に発足した暫定政権については、東部勢力で構成する代表議会が9月に不信任決議を可決しており、存続が危うくなっている。