[メルボルン 23日 ロイター] - アジア時間の原油先物は3日続伸。新型コロナウイルスのオミクロン変異株拡大を抑えようと各国が行動制限を強化しているものの、世界経済を巡る楽観的な見方を背景にドルが下落し、原油先物の割安感が意識された。
0244GMT(日本時間午前11時44分)時点で、米WTI原油先物は0.35ドル(0.5%)高の1バレル=73.11ドル。北海ブレント先物は0.40ドル(0.5%)高の75.69ドル。
各国政府はオミクロン株の拡大抑制に向けて制限強化に動いており、中国の陝西省西安市は22日、1300万人の市民に対し外出を控えるとともに不要不急の場合は市外に出ないよう要請した。また、スコットランドは今月26日から最長3週間、集会の人数制限を実施する方針を示した。
ただ、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は1月に日量40万バレルの増産を行う計画に見直し余地を残しており、市場は各国の移動制限による燃料需要への影響をさほど懸念していない。
OANDAのアナリスト、エドワード・モヤ氏はリポートで「オミクロン株は欧州やアジアでさらなる制限強化につながる可能性があるものの、OPECプラスが容易に生産水準を調整できるため、原油価格は急落しないだろう」と指摘した。