[ワシントン 4日 ロイター] - 「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の紛争解決パネルは、カナダが国内の乳製品加工業者のために輸入乳製品の特恵的関税の割当枠を維持しているのは規定違反と判断した。
米政府は、カナダ政府が是正措置を講じない場合には報復すると警告した。
USMCAは2020年に発効。米国は初の紛争解決で勝利を収めた形となった。
問題とされたのは、カナダが関税割当制度(TRQ)で設定した輸入枠の80─85%を、国内加工業者による輸入向けに確保している点。TRQではアイスクリームからチーズまで各種品目の輸入について、一定量までゼロ関税か低関税率の適用が認められている。
パネルは50ページのリポートで、カナダの慣行は「加工業者への割り当てに対するアクセス制限」を禁じているUSMCAの規定に相反すると指摘した。
米通商代表部(USTR)のタイ代表は「今回の歴史的勝利は米国産乳製品に対する不当な貿易制限を撤廃し、カナダの消費者に米国産乳製品を売り込む上で、米国の酪農業と労働者がUSMCAの恩恵を十分に受ける形になる」と述べた。
米政府高官は、カナダが2月3日を期限として問題解決に取り組むことに期待感を示した。また、意図するところではないが、カナダ政府が貿易制限を撤廃しない場合、米国には報復措置を取る権利があると語った。