[パリ 5日 ロイター] - 国際獣疫事務局(OIE)は、欧州とアジアで拡大している鳥インフルエンザは変異が多く、人間に感染するリスクがより高いとの見解を示した。前回の流行では数千万羽が殺処分され、貿易が規制されるなどしたことから、各国政府や家禽業界に懸念が広がっている。
OIEのモニーク・エロワ事務局長はロイターとのインタビューで、「今回は変異の数が多く追跡が困難なため、事態はより困難かつ危険となっている。突然変異を起こしたり、人の間で感染するウイルスとの交雑でいきなり新たな次元に移行する恐れもある」と述べた。
昨年10─12月に鳥インフルエンザの流行を報告したのは15カ国。大半がH5N1型で、欧州ではイタリアの被害が最悪となった。
一般的に鳥インフルエンザの流行は毎年秋に発生し、渡り鳥を媒介に拡散する。H5N1型は人に感染する数少ない形の一つ。
OIEによると、これまでに約850人が感染し、半数が死亡している。
ただエロワ事務局長は、大半の国が感染抑制の方法を学んでいるほか、鳥インフルエンザは通常濃厚接触を通じて感染することから、人への感染は散発的だと強調した。