[ベルリン 11日 ロイター] - ドイツのハベック副首相兼経済相(気候政策担当)は、深刻な労働者不足を回避し、生産減少とエネルギーシフトが脅かされる事態を防ぐには、移民受け入れの拡大が必要との見解を示した。ドイツは欧州最大の経済規模だが、人口危機に直面している。
副首相は「現在の求人数は30万件だが、今後は100万件、あるいはそれ以上に増加する。このギャップを埋めなければ現実に生産能力問題が生じる。これは当然、家庭と仕事の間での、技能、訓練、機会の連動を改善する必要があることを意味しているが、ドイツに関しては同時に、エンジニア、職人、介護者など全部門で移民受け入れ拡大が必要なことも意味している。われわれは、これに対応しなければならない」と述べた。
ドイツ経済研究所(DIW)は、今年は退職する高年齢者より労働市場に入ってくる若年層が少なくなり、労働力は30万人分以上縮小すると推計。2029年にはこのギャップが65万人分に拡大し、30年には約500万人の労働者不足が生じるとみられている。
ドイツでは、数十年にわたる低出生率と移民の不均衡から労働力が縮小。労働人口が支える退職者がその数を上回り、寿命が伸びているという年金構造が生じ、年金制度にとって危機的要因になっている。
与党は連立交渉で、海外からの熟練労働者受け入れの障壁を低くするとともに、最低賃金を時給12ユーロ(13.60ドル)に引き上げるなど、労働の魅力を高めていくことで合意している。