[北京 17日 ロイター] - 中国国家統計局が17日発表した2021年の粗鋼生産は6年ぶりに減少した。当局が鉄鋼業で温室効果ガス削減の取り組みを強化したことが背景にある。
粗鋼生産は10億3000万トンと、20年に記録した過去最高の10億6500万トンから3%減少した。
政府は21年初め以降、大気汚染の緩和と温室効果ガス削減のため、年間の粗鋼生産を前年の水準以下に抑えるよう業界側に促してきた。中国は30年までに排出量をピークアウトさせる目標を掲げている。
昨年上半期は建設および製造業からの堅調な需要で製鉄所の収益が拡大し、粗鋼生産は前年同期比で12%近く増加した。
ただ、政府が環境関連規制を強化した7月以降、粗鋼生産は前年比と前月比の両方で減少を開始。電力不足による原材料価格の上昇や不動産部門の債務危機も鉄鋼需要を下押しした。
下半期の粗鋼生産は4億7086万トンと、前年同期比16%減った。
12月単月の粗鋼生産は8619万トンと、前月の6931万トンを上回ったが、20年12月からは6.8%減少した。
アナリストは先行きについて、春節(旧正月)と北京冬季五輪が引き続き生産の重荷になると予想。春節の連休後に消費が緩やかに回復すると見込む。