[北京 26日 ロイター] - 気候変動により冬季五輪競技やウインタースポーツの危険度が増す恐れがあるとの報告書を英ラフバラー大学などの研究者がまとめた。
2月4日開幕の北京冬季五輪は「スノーガン」と呼ばれる人工降雪機300基を利用。冬季五輪としては初めて、ほぼ全面的に人工雪に頼ることになる。
報告書はこれについて「エネルギーと水を大量に使用するだけでなく、雪解けを防ぐために化学物質が使われることも多い。また、多くの競技参加者は、雪質が予測できず、危険な可能性があると話している」と指摘した。
中国は人工雪について、自然降雨と再利用水しか使っていないと主張するが、大量の水を使用することで地域の水不足が悪化する恐れもある。
報告書は「人類が生み出した温暖化により、ウインタースポーツの将来が長期的に脅かされている。気候上の観点から冬季五輪の適切な開催地が減っている」と指摘。
1924年以降の冬季五輪開催地21都市のうち、気候上の条件を満たし、天然の雪が確保できる都市は2050年には10都市になる見通しという。