[ロンドン 31日 ロイター] - カタールが欧州連合(EU)に対し、域外への天然ガス転売を制限する必要があると述べたことが分かった。関係筋が明らかにした。転売を制限することで、ロシアがウクライナに侵攻した場合も主要供給国がガスを提供でき、短期的な危機を回避できるとしている。
カタールは、EUが余剰分の液化天然ガス(LNG)について、域内にとどめると約束するよう望んでいる。
関係者は「(転売制限が)実行されなければ、EUに対する緊急輸出がEU外で収益を上げるための現物として転売される恐れがあり、基本的にEUのエネルギー不足が長引くことになる」との認識を示した。
カタールおよび欧州の複数の産業筋は、一部EU諸国がガスの相場上昇が始まった昨年以来、カタール産ガスをEU域外で転売していると指摘した。
関係者によると、カタール側はEUが長く調査を続けるカタールのガス長期契約問題についても、解決の必要があると述べたという。
EU欧州委員会はカタールの長期契約が欧州内の自由なガスの流れを阻害するかもしれないと懸念する。一方、カタールは長期契約が供給の安全保障を確保するとの立場を取っている。