[ロンドン 31日 ロイター] - リフィニティブのアナリストが31日に発表したところによると、昨年の二酸化炭素(CO2)排出権を巡る世界市場の取引額は164%増の7600億ユーロ(8510億ドル)となり、過去最高を記録した。
この増加分のほとんどは2005年に始まった欧州連合(EU)域内排出量取引制度(EU-ETS)によるもの。世界で最も認められた炭素市場となっており、グローバル取引額の90%に当たる6830億ユーロを占めた。
EU-ETSの2021年末の価格は1トン=80ユーロ強。前年末から2倍以上となった。30年までに排出量を55%削減するという、より野心的なEUの気候目標が市場のタイト化につながるとの期待を受けた。
それに加え、第4・四半期からの天然ガス価格の高騰により石炭発電が増え、排出権需要に拍車がかかり価格が上昇。アナリストは、ガス市場は今年も引き続き価格に影響を与えると予想している。
リフィニティブのアナリストは「排出権価格の上昇は、ガス発電所よりも石炭発電所に比較的大きな打撃を与えたが、21年後半にガス価格が高騰したため、石炭発電所の方がまだ収益性が高かった」と述べた。