［ムンバイ ４日 ロイター］ - ストラテジストの間で原油価格が１バレル＝１００ドルを突破する可能性が高いとの見方が浮上している。世界の需要が旺盛なことが背景。ロシアとウクライナの戦争が今年の大きな懸念要因の一つという。
供給に混乱が生じた場合や、欧州やアジアで高騰している天然ガスに代わって原油の需要が膨らめば、原油価格は上昇する見通し。新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン（都市封鎖）の解除も、航空燃料などの需要を押し上げる要因となる。
ロイター・グローバル・マーケッツ・フォーラム（ＧＭＦ）でストラテジスト３人が見解を示した。
日興アセットマネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、ジョン・ベイル氏は「最大の地政学リスクはウクライナだ」とし「コモディティーのトレンドは総じて良好とみられる」と述べた。
ＳＥＢのチーフ・コモディティー・アナリスト、Bjarne Schieldrop氏は、原油価格は天然ガス価格に比べてすでに「割安」だと指摘。ロシアとウクライナの間で戦争が勃発すれば、天然ガス価格は石油換算バレル当たり２００─２５０ドルに上昇する可能性がある。最大６００テラワット時のロシア産天然ガスの西欧への輸出が失われるとの見方を示した。
インベスコのグローバル・マーケット・ストラテジスト、デビッド・チャオ氏は、原油価格が１０─１５％上昇する可能性があると予想。「そうなれば、西側諸国のインフレ圧力が大幅に高まり、多くの主要国中央銀行が予防的な利上げを迫られる」と述べた。
ベイル氏は中央銀行がインフレの抑制で難しい対応を迫られると指摘。米連邦準備理事会（ＦＲＢ）は今年７回の利上げを行うと見方を示した。