[モスクワ 7日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は7日、訪問先のモスクワでロシアのプーチン大統領と会談し、ウクライナ問題を巡って「向こう数日間が正念場になる」との認識を示した。
ロシアがウクライナ国境沿いで軍増強を開始して以降で、西側諸国の首脳がプーチン大統領と会談するのは初めて。
マクロン氏は会談後、「向こう数日間が事態を決めることになるだろう。集中的な議論が必要であり、われわれは共に取り組む」と記者団に語った。
プーチン氏は会談で一定の進展があったことを示唆。「マクロン氏のアイデアや提案の多くは、おそらく協議するのはなお時期尚早だろうが、われわれの共同措置のベースにすることは全く可能だ」とした。
ただ、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟し、クリミアを武力で奪還しようと試みれば、「欧州諸国は自動的にロシアとの軍事紛争に引きずり込まれる」と語気を強めた。軍事紛争が起きても「勝者はいない」と強調した。
その上でウクライナに対し、東部ドンバス地域の紛争解決に関する取り決めを含む「ミンスク合意」を順守するよう求めた。
マクロン氏は、ウクライナ、モルドバ、ロシアが軍事演習を行っているベラルーシの独立を守る必要があると述べ、「結果を出すのは簡単ではないかもしれないが、協力すればきっとできると確信している」と語った。
マクロン氏は8日にウクライナを訪問する。マクロン氏とプーチン氏はその後、再び会談する予定。
ワシントンでは、バイデン米大統領がドイツのショルツ首相と会談した。バイデン氏は外交的な解決策は依然としてあると強調。米独は「足並みをそろえている」と述べた。
ショルツ氏は記者団に対して、ウクライナ再侵攻の際には米独はロシアに迅速に制裁を科すとし「ロシアは極めて高い代償を払うことになる」と語った。
<東欧への軍増派急ぐ>
西側諸国は、武力を使ってウクライナを防衛することは否定しているが、武器供与や近隣の北大西洋条約機構(NATO)加盟国への軍増派などを通じた支援を約束している。
バイデン氏は先週、3000人規模の米軍部隊をポーランドとルーマニアに追加派遣すると発表。ドイツのランブレヒト国防相は7日、NATO戦闘部隊の強化のためにリトアニアに最大350人の増派を行うと明らかにした。
ドイツのベーアボック外相は7日、訪問先のキエフでウクライナのクレバ外相と会談し、ウクライナに対する揺るぎない支援を確約。ドイツにはロシア抑止に向けて経済的に高いコストを払う用意があると表明した。