[北京 2日 ロイター] - 中国外務省のWang Lutong欧州局長は2日、中国はロシアへの制裁を故意に避けてはいないと語った。欧州連合(EU)は前日、ロシアがウクライナ侵攻で科された制裁を逃れるのを中国政府が助けていると指摘していた。
Wang氏は記者団に対し、中国はロシアとの貿易を継続することで世界経済に貢献していると発言。「中国はウクライナ危機の当事者ではない。中国の他国との貿易がその影響を受けるべきとは考えない」と語った。
中国とEUの首脳らは1日、2年ぶりとなる首脳会議をオンライン形式で開催。EUが中国に対し、ロシアへの武器供給や西側諸国の制裁回避につながるような支援を行わないよう求めたことに対し、李克強首相は「独自の方法」でウクライナの和平交渉を推進すると言明した。
Wang氏は「われわれは制裁に反対する。制裁の影響は世界全体に波及しかねず、通貨戦争や貿易・金融戦争、サプライチェーンや産業チェーンの混乱を招く恐れや、経済秩序を乱すリスクさえはらんでいる」と述べた。
また、今回の首脳会議では、2020年に基本合意したものの、欧州が批准していない中国・EU投資協定に関して進展はなかったと発言。EUが先に対中制裁を解除する必要があり、その後に中国は他の報復措置の解除を検討することができると語った。EUは新疆ウイグル自治区での人権侵害を理由に中国当局者に制裁を科し、中国がこれに反発してEUの個人と団体に制裁を発動したため、欧州議会は投資協定の承認手続きを凍結した。