[エルマウ(ドイツ) 28日 ロイター] - 主要7カ国(G7)首脳会議は、ウクライナに侵攻しているロシアの戦争資金を断つため、一定価格以上で売却されたロシア産石油の輸送禁止を検討することで合意した。
検討されているのはロシア産石油価格の上限設定と金融サービス、保険、石油貨物の輸送とを結びつける仕組みで、荷主や輸入業者はロシア産石油価格の上限設定を順守する場合にのみ、これらのサービスを受けることが可能になるという。
首脳宣言で「われわれは、同じ考えを持つすべての国々に、われわれの行動に加わることを検討するよう呼びかける」とした。
議長国ドイツのショルツ首相はG7閉幕後の記者会見で「ロシアのプーチン大統領が、自身のウクライナでの計画は成功しないと認めること以外に出口はない」と述べた。
また、G7関係者によるとイタリアなどがガス価格の上限設定の可能性を模索したほか、フランスはすべてのエネルギーに価格上限を設けるよう要求したという。
一方、専門家はこのような計画は裏目に出る可能性があると警告している。石油ブローカーPVMのタマス・ヴァルガ氏は、例えばプーチン大統領が報復としてエネルギー輸出の削減を決定する可能性があり、そうなれば価格が高騰することになると指摘する。中国などが回避策を見出す可能性もある。
ロシア大統領報道官は28日、西側諸国がロシア産天然ガスの価格に上限を設定すれば、国営ガスプロムが供給契約の条件を変更する可能性があるとの見解を示した。