[ブリュッセル 30日 ロイター] - 欧州連合(EU)とニュージーランド(NZ)は30日、自由貿易協定(FTA)締結交渉が妥結したと明らかにした。発効すればお互いの貿易量は30%拡大する。EUはロシアからの事業撤退を進める中、他国との結びつきを強化する。
欧州委員会のドムブロウスキス通商担当委員は記者団に、この協定は重要な「地政学的シグナル」を送ったと述べ、「ロシアから離れ、新たな市場やサプライチェーン(供給網)などを探す必要があることは明らかであり、この協定はまさにそれに貢献する」と強調した。
ニュージーランドのアーダーン首相は、貿易協定構想が最初に浮上してから14年間かかったと述べた。
EUとNZのFTA交渉は2018年に始まった。FTAによりEUから輸出する衣料品や化学製品、医薬品、ワインなどの関税が引き下げられる。
EUは、NZ産牛肉の輸入枠を1万トン拡大するほか、羊肉やバター、チーズの輸入枠も増やす。
発効には欧州議会とEU政府の承認が必要で、発効手続きには1年半から2年かかる可能性がある。