[ブリュッセル 13日 ロイター] - 欧州連合(EU)がロシア産ガスの一段の供給減少に備え、産業界にインセンティブを与えて需要を抑制するよう加盟国に働きかける方針であることが分かった。欧州委員会が20日に発表を予定する計画の草案をロイターが入手した。
それによると欧州委は、企業にガス使用削減を促す金銭的インセンティブの導入、産業界や発電所に他の燃料への転換を促すための公的支援の利用、消費者に冷暖房使用を控えるよう促す情報キャンペーンの展開を各国に提案する。
草案は、緊急時にどの産業に閉鎖を求めるかについても、提供されているサービスの重要性やサプライチェーン(供給網)への影響を考慮して順序を決めるべきだと各国政府に提言している。
EUは今行動することで、可能な限りガスを貯蔵して暖房需要がピークに達する冬に備えたい意向だ。EUのガス貯蔵率は現在62%で、11月までに80%を確保するという目標に遠く及ばない。
草案によると、2月のウクライナ侵攻前にはEUはガス供給の40%をロシアに依存していたが、ロシアの供給は急減し、現在は2016─21年平均の30%を下回っている。