[エルサレム/ジッダ 14日 ロイター] - 中東歴訪中のバイデン米大統領は14日、サウジアラビア訪問で人権問題を巡る協議を避けることはないと改めて言明した。さらにサウジのムハマンド皇太子の関与が疑われる2018年の米紙ワシントン・ポストのサウジ人記者ジャマル・カショギ氏殺害について、自身の立場は「絶対的に明確」とも強調した。
13日にイスラエル入りしたバイデン大統領は、15日にサウジに向かう。サウジのサルマン国王と会談する予定で、原油増産を要請するほか、悪化した両国の関係修復を目指す。
しかし、バイデン大統領のサウジ訪問には批判的な見方は少ない。米情報機関はカショギ氏殺害事件について、サウジの実力者であるムハンマド皇太子が関与したと分析しており、バイデン氏は過去に皇太子を非難している。
バイデン大統領はエルサレムで行われた記者会見で「私は人権を巡り、黙っていたことはない」と強調。同時に「サウジ訪問の理由はさらに幅広く、米国の利益を促進するためだ」とし、「非常に多くの問題が存在し、われわれが引き続き中東地域を主導し、中国やロシアによって埋められる空白を作らないことを明確にしたい」とし、サウジ訪問を擁護した。