[モスクワ 19日 ロイター] - ロシア財務省は石油輸出収入の一部を安定化基金に繰り入れる財政ルールを復活させ、繰り入れの基準価格(カットオフ価格)を1バレル=60ドルに引き上げることを提案している。政府高官らが19日明らかにした。準備金を積み上げる新たな方法も検討しているという。
この制度では、原油価格が基準価格を超えた場合に収入の一部で外貨を購入する。直近の調整は2018年で、1バレル=40ドルに設定した。ただ、ウクライナ侵攻後の西側の制裁を受けて全面的に停止されている。
制裁によってドルやユーロの入手が制限される中、財務省は過度のルーブル高抑制や準備金積み増しを狙った新たな財政ルールを検討中だ。
シルアノフ財務相は先月、急速なルーブル高に対処する手段として「友好国」の通貨を購入し、ドルやユーロの為替レートを調整する可能性があると述べていた。
ロシア政府高官は、友好国の通貨に加え、石油・ガスの余剰利益を活用して購入できるさまざまな資産を検討していると明らかにした。
別の高官は「中国は以前に海外で投資できる資産の一覧を承認した。例えば資源や穀物備蓄、不動産などだ。これらは信頼性と流動性の基準を満たさないが、それはもはやわれわれの懸念事項ではない」と述べた。
大統領府に近い関係者によると、財務省は60ドルの原油価格に加え、日量950万バレルの石油生産量も基金繰り入れの基準とすることを提案した。
一部高官は財務省と異なる見解を示しており、8月にプーチン大統領と詳細が話し合われる予定という。