[アテネ/ロンドン 20日 ロイター] - 異例の熱波に見舞われている欧州では、20日も山火事の消火活動が続いた。科学者などからは気候変動対策強化を求める声が高まっている。
イタリア中部トスカーナでは森林火災でガスタンクが爆発し数百人が避難。ギリシャでもアテネ北部の山で強風にあおられた火災が広がり数百人が避難した。
地中海沿岸の一部が先週見舞われた記録的な暑さはいったん和らいだものの、ポルトガル、スペイン、イタリアでは再び気温が上昇している。
ポルトガル当局者は北部ムルサを中心とした大規模な山火事について、気温上昇と強風で消火が困難になると述べた。この火事では17日以降、1万─1万2000ヘクタールが焼失している。
イタリアでも複数の地域で山火事が発生し、北東部トリエステでは停電や断水の恐れがある。ローマ、ミラノ、フィレンツェなど14都市圏では21日、最高レベルの熱波警報が出される見通し。北部や中部の広い範囲で今週、気温が40度に達すると予測されている。
19日に初めて40度を超える気温を記録した英国の気象庁科学技術トップは、温暖化ガス排出を削減しなければ英国は同様の熱波に3年ごとに見舞われる恐れがあると警鐘を鳴らした。
マクロン仏大統領も、気候変動が山火事の増加につながっており、フランスや欧州連合(EU)は「今後数年で構造的な決断」を迫られると述べた。