[モスクワ 22日 ロイター] - ロシア中央銀行は10日、政策金利を9.5%から8.0%に引き下げた。150ベーシスポイント(bp)の引き下げ幅は市場予想を上回った。また、インフレが鈍化し景気が後退する中、さらなる引き下げの必要性を検討するとも述べた。
利下げは今年4回目。今週初のロイター調査では、ほとんどのアナリストが50bpの引き下げを予想していた。
中銀は声明で「年後半にも政策金利引き下げの必要性を検討する」と述べた。
またナビウリナ総裁は、インフレ率を2024年に4%まで低下させることを目標とする中で50bp、100bp、150bpの利下げ幅を検討したと明かした上で、「中期的には追加利下げの可能性がある」とした。
ロシアの7月15日時点のインフレ率は前年比15.5%だった。
利下げを受け、ロシアの通貨ルーブルは対ドルで58.65ルーブルに下落。利下げ発表直前の57.57ルーブルから下げが加速した。
ロスバンクの市場調査担当シニアバイスプレジデント、ユーリ・トゥリノフ氏は「ロシア中銀はわれわれだけでなく金融市場全体を驚かせた」と述べた。
ロシア国内銀のアナリストは、「インフレ率が予想より早く低下していることから、当局は以前考えられていたよりも積極的な行動を決定したようだ」とした。
中銀は2022年のインフレ率予測を前回の14─17%から12─15%に引き下げた。23年には5─7%に鈍化するという。
また、今年の国内総生産(GDP)成長率見通しをマイナス4─6%とした。4月下旬には8─10%縮小すると予想していた。一方、23年の成長率見通しはマイナス1─4%とし、最大3%縮小という従来予測を修正した。
中銀は「ロシア経済を取り巻く外部環境は依然として厳しく、経済活動を著しく制約している。消費支出は依然として低調だが、消費財の輸入が徐々に増加するなど、回復し始めている」と述べた。
その上で、23年の政策金利は平均で6.5─8.5%と想定。インフレが再び加速する場合には行動する用意があるとした。