[ロンドン 28日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国でつくる「OPECプラス」は来週8月3日の会合で、米国から供給増の要望が出ているにもかかわらず、9月の生産水準を現状維持とする方向で検討する。小幅の増産も議論はされそうだ。8人の関係者が明らかにした。
OPECプラスは8月まで、新型コロナウイルスのパンデミックを受けて合意した協調減産を完全に履行する見込み。
こうした中でロイターが取材した8人の関係者のうち5人は、生産水準は据え置かれる公算が大きいと述べた。一方2人は9月の小幅減産が話し合われるだろうとの見方を示した。
関係者の1人は「小幅増産から現行水準据え置きまで、さまざまな話が出ている」と説明した。
増産が見送られた場合は、米国の失望を誘うだろう。バイデン大統領は今月、サウジアラビアを訪問した際に、同国が増産に動くことへの期待を表明。ある米政府高官は28日、追加供給は市場安定に役立つと改めて強調した。
ただOPECプラス内では、原油価格が3月の年初来高値からやや軟化している点を踏まえ、増産を正当化する強い根拠はないとの声も聞かれる。別のOPECプラス関係者は「9月の増産は予想していない」と語った上で、今回の会合でそれ以降の方針は議題になりそうにはないと付け加えた。