[ジャカルタ 1日 ロイター] - インドネシアのセプティアン・ハリオ・セト海事・投資調整副大臣は1日、ロイターのインタビューに応じ、パーム油の国内供給義務(DMO)制度は残しつつ、輸出枠拡大を徐々に進めていく考えを示した。
DMOは輸出業者に一定量を国内向け販売に回すことを義務付ける仕組み。5月23日にパーム油輸出禁止措置を撤廃したのに伴い、引き続き国内の安定供給を確保する目的で導入された。足元ではパーム油在庫が膨らんでいることを受け、セト氏はDMOに基づく輸出枠が1日以降、国内販売量の7倍から9倍へと引き上げられるとした。
国内では在庫の積み上がりによりパーム油の原料となるアブラヤシの価格が下落し、栽培農家が打撃を受けている。セト氏は「われわれは実現するのがかなり難しいバランスの維持に努めている」と語り、国内の食用油価格を1リットル当たり1万4000ルピア(0.94ドル)に落ち着かせて輸出も促進したいが、アブラヤシの価格も引き上げようとしていると説明した。
パーム油が大部分を占める食用油の平均価格は4月時点で1リットル当たり約1万8000ルピアだったが、今はおよそ1万4400ルピアで推移。政府の一部や業界団体からは早速、DMOの廃止や見直しを求める声が出ている。しかしセト氏は「われわれは政策に一貫性を持たせたい。(DMOに関しては)変更はない」と断言するとともに、担当閣僚は廃止の要望を吟味した後でこうした結論に達したと付け加えた。
またセト氏は「われわれは在庫を緩やかに減らさなければならない。(国際)価格に痛手を与えるので一挙には減らせない」と強調した。