ドル/円
午前9時現在 83.14/19 1.3572/77 112.86/91
NY17時現在 83.16/20 1.3583/86 112.87/91
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[東京 16日 ロイター] 午前9時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時
点とほぼ同水準の83円前半で推移している。EU(欧州連合)周縁国の財政懸念に揺れ
るユーロは、1.36ドルを下回る水準で軟調。アイルランドが同国の銀行に対する支援
要請の可能性を示唆しており、現地時間の16日に開かれるユーロ圏財相会合の対応が注
目される。
ユーロは1.3570ドル付近。アイルランドなどの財政問題を背景に、海外市場で6
週間ぶりの安値をつけたユーロ/ドルは、引き続き1.36ドルを下回る水準で軟調に推
移している。ソブリンリスクが懸念されるアイルランドは、カウエン首相が15日、銀行
の資金調達について支援が必要になる可能性を示唆。欧州の財政当局者が16日に資金調
達コストなどの問題について協議することを明らかにした。 欧州中央銀行(ECB)の
高官は、アイルランド政府との協議が進行中であると認めたうえで、要請があれば同国と
同国銀行を支援する用意があると語った。
また、15日付フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、ポルトガルのテイシェイラ・
ドスサントス財務相の発言として、同国に外部からの財政支援が必要となる高いリスクが
あると報じた。 同紙電子版によると、財務相は「1国だけの問題ではないため、リスク
は高い。ギリシャ、ポルトガル、アイルランドといった国が問題を抱えている。この国だ
けの問題ではない」と語った。
今日のアジア時間は韓国中銀の金融政策会合、豪中銀の議事録公表が控えているが「相
場はユーロ主導で動く可能性がある」(国内金融機関)との声が聞かれた。
ドル/円は83円前半。海外市場では対円で5週間ぶりの高値に上昇し、一時83.2
8円をつけた。米金利上昇基調のなかでドル買い戻し機運が高まっており、引き続き底堅
く推移しそうだ。ただ、「ドルの戻りのピッチが速いため、83円前半で上値が重くなる
と思う。輸出企業や利食いのドル売りも入りやすい」(国内金融機関)との声が聞かれ
た。
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の取組によると、米国が
量的緩和第2弾(QE2)を決定した11月3日から9日までの週は、ドルの売り越しが
減少した。CFTCとロイターのデータによると、円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、
カナダドル、豪ドルに対するドルの売り越し額は218億5000万ドル。前週は245
億3000万ドルだった。 ユーロの買い越しは大幅に減少した。
(ロイターニュース 久保 信博記者)