[ブリュッセル 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)は、パリ協定に基づく温室効果ガス排出量削減目標(NDC)の引き上げを計画している。11月の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)に向けたEU方針の素案文書をロイターが確認して分かった。
EUは現在、域内の温室効果ガス排出量を2030年までに1990年比で55%減らすことを目指している。これでも主要国・地域としては最も野心的な目標だ。
しかし複数のEU高官によると、削減率はさらに数ポイント引き上げることができる。昨年7月に削減率55%達成のために練られ、加盟国と欧州議会が交渉を進めているEUの気候変動総合対策の一部は、それ以降もっと踏み込んだ内容になっているからだ。
素案文書には、EUは気候変動総合対策の最終版完成に歩調を合わせてNDCを更新する態勢にある、と記されている。
総合対策の交渉がまとまるのは来年になるため、具体的な新しい排出量削減目標がCOP27の前に固められる公算は乏しい。ただ何人かの専門家は、EUが目標引き上げを計画していると示すだけで、排出量の多い他の国・地域には重圧がかかるとみている。