[ヌサドゥア(インドネシア) 19日 ロイター] - 香港などアジアを拠点とする資源大手ノーブル・リソーシズ・インターナショナルは19日、欧州の今年の一般炭輸入が約1億トンと、2017年以降で最大になる可能性があるとの予想を示した。コモディティー価格集計大手アーガスも同様の見方を示した。
両社とも欧州の発電用燃料の需要が23年にはさらに増えると見込んでいる。
アーガス幹部のアンドルー・ジョーンズ氏はインドネシア・バリ島ヌサドゥアで開催中の石炭国際会議「コールトランス」で、欧州向けの石炭はウクライナに侵攻したロシアに代わり、南アフリカが今年と来年に、より良い石炭を大規模に供給すると予想した。一方でロシアが中国やインドやトルコへの石炭供給を増やすとした。
ノーブルの調査責任者、ロドリゴ・エチェベリ氏は、世界の海上輸送による一般炭供給が9億8300万トンになると予想。中国の経済鈍化で同国の一般炭輸入が15年以来、初の減少となるにもかかわらず、世界の一般炭需要は9億9600万トンで、供給を上回るとの見方を示した。中国の今年の海上輸送の一般炭需要は、製造業や不動産部門を中心とした落ち込みの影響で、約4500万トン減少の2億1000万トンが予想されるという。
エチェベリ氏は今年の世界の石炭供給国について、インドネシアからの供給は大きく増えるとみる一方、オーストラリアでは豪雨の影響で生産が減少するとした。石炭価格については、25年まで天然ガス価格が高止まりすると予想されることから、石炭も高値を維持すると見込んだ。