[ニューヨーク/ワシントン 20日 ロイター] - イランにある3カ所の未申告施設でウランが検出された問題に関する国際原子力機関(IAEA)の調査を巡り、イランと欧米諸国は20日も対立を続けた。
米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、今週の国連総会で2015年の核合意再建に向けた突破口が開かれるとは期待していないと述べた上で、米国は合意再建を望んでいると改めて表明した。
フランスのマクロン大統領はこの日、イランのライシ大統領と会談。マクロン氏は会談後、「欧米が正式に設定した条件を受け入れるかどうかイランが回答する番だ」と記者団に述べた。
イランは、核合意再建に向けた提案内容を完全に実行する前に、検出されたウランの痕跡に関するIAEAの調査終了を約束するよう米国に要求している。
欧米諸国はこの要求を拒否し、イランがIAEAに満足のいく回答をしたときにのみ調査は終了すると主張している。
マクロン氏は20日、欧米がIAEAに調査終了を迫ることはないと述べた。
一方、ライシ氏は、イランはIAEAが調査を終了し、2018年に核合意を放棄した米国が再び放棄した場合の影響を制限するための保証を引き続き要求していると語った。
イラン政府によると、ライシ氏はマクロン氏に対し「保証の要求は完全に合理的で論理的な要求だ」と述べ、IAEAが調査を終了することなくイランが合意することは不可能だとの見解を示した。