[ワシントン 21日 ロイター] - 世界銀行のマルパス総裁が地球温暖化に関する通説的な見解に同意するか明言を避けたことを受け、21日に元外交官や環境団体などから批判が噴出し、辞任圧力が強まった。
マルパス氏は20日に米紙ニューヨーク・タイムズが主催したイベントで、化石燃料の燃焼という人為的な原因で地球温暖化が急速に進んでいるという見解に同意するか問われ、明確な回答を避けた上で「私には分からない。科学者ではない」と述べた。
同氏はトランプ前米大統領に2019年に任命され、任期は5年。
発言は交流サイト(SNS)で拡散され、バイデン大統領に対してマルパス氏を交代させるよう求める声が上がった。市民団体の連合はまた、世銀にマルパス氏解任を要求した。
温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」策定で主要な役割を果たしたローレンス・トゥビアナ元フランス気候変動交渉担当大使はツイッターへの投稿で「2022年にもなってこんなことが起こるとは。この無関心は気候行動を弱体化させる。多くの国が世銀の金融支援を大いに必要としているのにだ」と訴え、「科学に耳を傾ける」総裁が必要とした。
ゴア元米副大統領も今週、マルパス氏は気候変動否定論者だと評した。