[ロンドン 3日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は3日、ロシアのパイプライン経由のガス供給が縮小するため、世界のガス市場は来年もタイトな状態が続くとの見通しを発表した。
ガス市場四半期報告では今年の世界ガス消費について、需要が省エネ対策と価格高騰に伴い欧州で過去最高の10%縮小するほか、アジア太平洋地域で横ばいとなる結果、0.8%減少すると予想。また、来年の世界ガス消費はわずか0.4%増にとどまると予測した。
IEAは、欧州の液化天然ガス(LNG)輸入量が今年に600億立方メートル以上増加すると予測。これは世界のLNG輸出能力拡大分の2倍以上となる。
その結果、アジアのLNG輸入量は、欧州のガス価格高騰により、今年の残り期間は昨年より低い水準にとどまる可能性がある。
ただ、21年に入ってから締結された一連の新規契約により、中国のLNG輸入量は来年増加する可能性がある。また、例年より寒い冬が北東アジアからの追加需要を生み、市場の需給逼迫がさらに進みそうだ。