[ドバイ 10日 ロイター] - イランの治安部隊は10日、北西部のクルド人居住地域で激化している反政府デモの取り締まりを強化した。
クルド系女性がスカーフのかぶり方を巡って風紀警察に拘束された後、死亡した事件をきっかけに、長らくイラン政府からの自治獲得を求め、政府側から弾圧されてきたこの地域でデモが活発化。クルド系人権団体ヘンゴウによると、これに対応して中心都市サナンダジなどには10日、多数の治安部隊が出動した。一連のデモで8日までに少なくともクルド系住民5人が死亡、150人が負傷している。
またツイッターに投稿されたある動画には、サナンダジ近くで建物が爆発炎上する様子が映っており、現地の不穏な空気がうかがえる。
一方この女性死亡に抗議するデモはイラン全土にも広がり、収まる様子は見えない。主導役を務めているのは各地の大学生。南部のアバダンやカンガンの石油精製所、ブーシェフルの石油化学施設の労働者がデモに加わったとの未確認情報もある。