[ワシントン 11日 ロイター] - 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は11日、先週の石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」による大幅減産決定を受け、バイデン大統領が米国とサウジアラビアの関係を再評価していると明らかにした。
OPECプラスは5日で、11月から日量200万バレルの減産を実施することで合意。減産幅は世界需要の2%に相当し、2020年の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)以来、最も大幅なものとなる。米国は大幅な減産を行わないよう働きかけていた。
カービー氏はCNNとのインタビューで「バイデン大統領はサウジとの関係を見直す必要があることを明確にしてきている」と語った。バイデン大統領はOPECプラスの決定に失望しており、「議会と協力し、今後の米・サウジ関係について検討する考え」で、議会との「対話をすぐにでも開始する構え」と述べた。
さらに、この問題はウクライナでの戦争だけでなく、米国家安全保障上の問題でもあると述べた。
ホワイトハウスのジャンピエール報道官も、サウジとの関係の見直しが行われると語ったが、今後数週間から数カ月の状況を注視すると述べるにとどめ、具体的な時期などは明らかにしなかった。
一方、国務省のプライス報道官は、サウジとの関係見直しにおいて、サウジと対立するイランの脅威から目をそらすつもりはないと述べた。
米国は主に、中東地域におけるイランの脅威に対抗する目的でサウジに武器を売却してきた。
プライス報道官は、イランを利することなくサウジとの関係をどう見直すのかとの質問に「安全保障上の課題は存在し、一部はイランに端を発する。イランが中東地域やそれを超えてもたらす脅威から目をそらすことはしない」と答えた。
米上院外交委員会のボブ・メネンデス外交委員長(民主党)は10日、サウジがウクライナ戦争でロシアを支援していると非難し、武器売却など同国との協力関係を凍結するよう求めた。
サウジ国営メディアによると、サウジ内閣は11日、世界の石油市場の均衡と安定を達成する上でOPECプラスが果たす「極めて重要な役割」を強調した。