[ブリュッセル 11日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は11日、ロシアの核戦力を注視しているとし、NATOが来週に核抑止に関する軍事演習を実施すると発表した。演習は以前から計画されていた通常のものであり、今中止すればロシアに「誤ったシグナル」を送ることになるとした。
記者会見で「核抑止力が安全かつ効果的であることを確認するための演習」とし、NATOの軍事力はロシアとの緊張激化を防ぐ最善の方法とした。
ロシアのプーチン大統領が核兵器使用を示唆したことについては、NATOはロシアの核戦力を注意深く監視しているが、その姿勢に変化は見られないとした。
ロシアが10日、ウクライナの首都キーウなど複数の都市にミサイル攻撃を行ったことは、「ロシアが実際に戦場で負けている」ため、ウクライナの前進に対し「無差別攻撃」で対応しているという見方を示した。
米国のスミスNATO大使も「プーチン大統領は地上戦での戦略的目標を達成できておらず、戦争開始以降、プーチン氏が繰り返し直面するテーマでもある」と語った。
ストルテンベルグ事務総長はまた、NATOにとって重要なインフラへの攻撃は「団結した断固たる対応」の引き金になると指摘。ロシアから欧州を結ぶバルト海の海底ガスパイプライン「ノルドストリーム」への攻撃を受け、NATO加盟国は重要施設周辺の警備を強化しているとした。