[キーウ(キエフ) 21日 ロイター] - ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相は21日、ロシア・ウクライナ・ 国際原子力機関(IAEA)によるウクライナ南部ザポロジエ原子力発電所を巡る交渉について、現時点で合意に向け進展していないという認識を示した。
ザポロジエ原発は現在、ロシア軍によって掌握されているが、ウクライナ人職員によって運営されている。原発周辺では砲撃が繰り返されており、IAEAのグロッシ事務総長は、原発周辺に非武装地帯を設けるため、両国政府と交渉を進めている。
ハルシチェンコ氏はロイターとのインタビューで「グロッシ事務総長から今週、合意の枠組みを巡り再度協議したいと伝えられた。ロシア側に何らかの変化があった可能性もあるが、ロシアと合意する可能性は確信していない」と語った。
また、ロシアがウクライナを経由する天然ガスの輸送を停止することは「起こり得る」としつつも、現時点でそのような兆候は確認していないと述べた。
こうした動きが「ロシアに対する欧州連合(EU)の結束分断が目的の一つのようで、欧州諸国に対する一種の圧力だ」とも述べた。
さらに、ウクライナが冬に一定のガス輸入が必要になるという見方を示した。