[ロンドン 26日 ロイター] - 国連の世界気象機関(WMO)は26日に発表した年次報告で、温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素)濃度の上昇ペースが昨年は全て過去10年の平均を上回り、記録的な伸びとなったと明らかにした。気温上昇抑制に向けた変革の時間がなくなりつつあると警告した。
11月6─18日に国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が開かれるのを前に、同年次報告を含めて複数のリポートが公表される。
二酸化炭素の濃度は2.5ppm上昇の415.7ppm。今よりはるかに温暖だった少なくとも300万年前以来の水準となった。メタンの濃度は、1983年の統計開始以来最も速いペースで上昇した。
WMOのターラス事務局長は、「われわれが誤った方向に進んでいることを示している」と指摘。「必要な変革は経済的にも技術的にも実現可能であり、時間がなくなりつつある」と述べ、エネルギー、産業、輸送システムの変革を訴えた。