[メルボルン 28日 ロイター] - アジア時間序盤の原油先物はドルの上昇を受けて軟化。ただ、欧州連合(EU)のロシア産原油禁輸措置の発効を控え、供給逼迫が懸念される中で週間では上昇している。
北海ブレント先物は0043GMT(日本時間午前9時43分)時点で0.42ドル(0.4%)安の1バレル=96.54ドル。米WTI先物は0.56ドル(0.6%)安の88.52ドル。
週間ではブレントが3%超、WTIが4%超の上昇となっている。
アナリストは、米商務省が27日発表した第3・四半期国内総生産(GDP)が大幅な改善を示し、米経済の底堅さが確認されたと指摘。
ナショナル・オーストラリア銀行のコモディティー調査責任者、ベーデン・ムア氏は、金利は高いが米指標を受けて需要見通しが改善するはずだと指摘。また、世界の原油在庫が低くとどまる中で12月にEUの対ロシア禁輸措置が発効するほか、中国の需要は回復しているため、市場の変動率が高まる可能性が高いと予想した。
ブレントのWTIに対する上乗せ幅も拡大している。中国の製油所稼働率が上昇している兆しや欧州の原油需要の高まり、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどで構成する「OPECプラス」が近く減産に踏み切るなどの要因が背景にある。