[キーウ(キエフ) 31日 ロイター] - ロシア軍は31日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を含む各地でミサイル攻撃を実施し、水力発電所を含む多数の主要エネルギー施設が被弾し、広い地域で停電や断水が起きている。
ウクライナのクレバ外相は「ウクライナの重要インフラが、ロシアからさらなる一連のミサイル攻撃を受けた」と述べた。
ウクライナのシュミハリ首相によると、国内10地域が標的となり、エネルギー施設18カ所が被害を受けた。50発以上のミサイルが発射され、ウクライナ軍が44発を撃ち落としたという。
当局者によると、中部クレメンチュクの主要水力発電所も攻撃を受けたが、被害状況は不明。また、ロイターは確認していないものの、ソーシャルメディアや地元メディアの情報によると、キーウ州や南部オデーサ州やザポロジェ州、中部チェルカシュ州でも水力発電所が攻撃を受けたもよう。
ハルシチェンコ・エネルギー相は「変電所のほか、水力発電および熱発電施設がロケット弾の攻撃を受けた」と明らかにし、一部の地域で部分的な停電が発生しているほか、他の地域ではエネルギーシステムの負荷軽減に向け緊急停電が実施されていると述べた。
キーウの知事は、ミサイル攻撃で1人が犠牲になったと発表したものの、明確な死傷者は明らかになっていない。
外務省の報道官は「ロシアは和平交渉にも、世界の食料安全保障にも興味がない。プーチン(ロシア大統領)の目的は死と破壊だけだ」と述べた。
ロシアからは今のところ反応は見られない。
ロシア政府は29日、国連が仲介した黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意への参加を停止した。ウクライナがクリミア半島に大規模なドローン攻撃を仕掛けたことが理由と説明している。
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