[ミュンスター(ドイツ) 3日 ロイター] - 主要7カ国(G7)外相会合が3日、ドイツのミュンスターで2日間の日程で始まった。ロシアによるウクライナのエネルギーインフラへの最近の攻撃を受け、ウクライナ支援での協調などについて協議する。
世界における中国の影響力拡大やイランでの抗議デモも主要な議題になる。
米国務省の高官は「今回のG7会合はわれわれにとって重要な時期に開催される」と指摘。G7は喫緊の課題への政策アプローチで「重要な調整メカニズムとなってきた」と語った。
欧州連合(EU)欧州委員会のシムソン委員(エネルギー担当)は1日、ウクライナを訪問した際、EUはパートナーとともにウクライナのエネルギー部門への支援を強化する方法を模索していると述べた。
ウクライナはエネルギーインフラの損傷を修復するための機器やツールを必要としているとし、外国企業はウクライナへのエネルギー機器移転を優先すべきだとした。
G7議長国ドイツのベーアボック外相は開幕に当たり「G7は冬季に向けたウクライナ支援を開始する」とし、「高齢者や子どもを含む大勢の人たちが、ロシアのプーチン大統領の残忍な戦術によって、これから迎える冬の間に餓死や凍死するような事態にはさせない」と表明。
ウクライナの電力網の30%以上がロシアによる攻撃で破壊されたとみられる中、ドイツは送電網の安定に向けウクライナに100台を超える発電機を提供したとし、他の国もすでに支援を確約したと指摘。G7は冬季に向けた共同支援を調整すると述べた。
中国については「G7がロシア政策で犯した過ちを繰り返さないようにする方法について討議する」とし、世界的な協力関係の多様化が必要との見方を示した。
英外務省の声明によると、G7外相は「台湾情勢や、G7がこの地域の国々とどのようにパートナーシップを強化できるかについて議論する」という。
ドイツが中国海運大手の中国遠洋運輸(COSCO)に対して、ハンブルクにあるドイツ最大港のターミナルの権益取得を承認したことや、ショルツ首相の4日の中国訪問を巡っても議論するとみられている。
英外務省によると、議長国ドイツは今回の外相会合にアフリカ連合(AU)に加え、ガーナとケニアを招待。気候変動のほか、インフラ問題や人道的危機などについて討議する。
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