［４日 ロイター］ - ロシア政府はロシア産穀物の輸出を容易にするため、農業向けの融資を手がける国営銀行、ロシア農業銀行に対する西側諸国の制裁を緩和することを求めていることが分かった。ウクライナ産穀物輸出合意に関する協議で要請した。事情に詳しい４人の関係筋が明らかにした。
ロシアは１０月下旬、黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意への参加を一時停止したが、４日後に復帰。世界的な食品インフレが猛威を振るっている中で、主要供給国のウクライナからの穀物輸出がさらに中断する恐れが和らいだ。
ロシアのプーチン大統領は国連が仲介した穀物輸出合意を再び停止する権利を留保し、国連のグテレス事務総長は１９日の合意期限を延長することに同意するようロシアに働きかけている。
ロシアは、欧州の港や倉庫に滞留しているロシア産肥料を開放し、ロシアとウクライナを結ぶパイプラインを通じて肥料の主要原料であるアンモニアの輸出を再開すること以上の要求を公にしていない。
４人の関係筋は、ロシアは西側諸国の制裁を受けている中で、ロシア農業銀行が取引銀行との関係を回復することを認めるよう要求していると説明。
うち２人の関係筋はこの場合、これまで国際的な穀物取引で主要な役割を担ってこなかったロシア農業銀行が、ロシアの穀物や他の食品の決済を処理できるようになると補足した。ロシアへの制裁が発動される前は、このような決済は国際銀行やスイスにある他のロシアの銀行の子会社が担っていた。
関係筋は、ロシアの要求に対する回答があった場合はどのような内容だったのかを明らかにしなかった。