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[リヤド 9日 ロイター] - サウジアラビアを訪問中の習近平国家主席は9日、中国・湾岸協力会議(GCC)首脳会議で演説を行い、石油・ガス貿易の人民元建て決済を推進する姿勢を表明した。人民元を国際通貨として確立させ、世界貿易における米ドルの支配的地位に揺さぶりをかけた格好。
習氏の訪問に際し、サウジの事実上の指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子はアラブ諸国との一連の「画期的な」首脳会議を開催した。西側各国とのこれまでの歴史的関係を超えたパートナーシップを模索する姿勢を示した。
この日の会談の冒頭、皇太子は「中国との関係が歴史的な新局面」入りすると表明。バイデン米大統領が7月にサウジを訪問した際の控えめな歓迎とは対照的だった。
人権問題やエネルギー政策、ロシアへの対応を巡り米国との関係が冷え込む中、サウジと中国はともに「内政不干渉の原則」に関する強いメッセージを発信した。
米国は中東地域での中国の影響力拡大に神経をとがらせている。
一方、サウジのファイサル外相は9日、サウジはどちらかの側につくことはせず、米中を含む全ての経済大国と協力すると語った。
サウジと中国は複数の戦略的・経済的パートナーシップ協定に署名した。アナリストによると、中国企業が技術やインフラ部門に進出しているものの、軸足は当面、エネルギー問題に置かれる見通し。
アラブ湾岸諸国研究所(ワシントン)の上級研究員、ロバート・モギルニッキ氏はロイターに対し「エネルギー関連が今後も関係の中心に据えられるだろう。またハイテク技術面でも協力が進み、米国からはおなじみの懸念が示されることになるだろう」と述べた。
今回の合意には中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)との覚書が含まれている。中国企業の技術使用に伴う安全保障上のリスクについて米国と湾岸諸国が懸念しているにもかかわらず、サウジは国内都市でのクラウドコンピューティングおよびハイテク複合施設の建設についてファーウェイと合意した。
サウジと湾岸諸国は、中国との石油取引を制限し、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の一員であるロシアとも関係を断つよう、米国からの圧力を受けてきた。世界秩序が二極化する中、経済と安全保障上の両方を視野に入れたかじ取りを迫られている。
こうした点を踏まえ、両国は共同声明で、世界石油市場の安定とエネルギー協力の重要性を再確認するほか、石油以外の面でも貿易の促進や原子力の平和的協力の強化に努めるとした。
習氏は、中国は今後も湾岸諸国から大量の石油を輸入し続け、液化天然ガスの輸入を拡大する方針を表明。石油・ガスの上流開発でも一段の協力を進めるパートナーだと述べた。