[ブリュッセル 12日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は12日、ロシアがさらに供給を削減した場合、来年には欧州連合(EU)が270億立方メートル(bcm)のガス不足に陥る恐れがあると警告した。その上で、各国政府に迅速に対応するよう呼びかけた。
IEAは、建物の改築や化石燃料を使用する暖房からヒートポンプへの置き換え、再生可能エネルギー使用拡大に向けた補助金などで不足を回避できると指摘。このために必要な1000億ユーロ(1060億ドル)の投資は、ガス料金の下落によって2年以内に回収できるとの見通しを示した。
これに対しフォンデアライエン欧州委員長は、エネルギー投資向け資金を調達するため、EUの「連帯基金」を設立することを提案。EUのガス供給は「この冬は十分」であり、EUは次の冬に備えていると述べた。